僕と暮らしてくれませんか
戻るもなにもないのだが。

どうせ俺には主導権がないんだろ?

どうせお前らが決まるんだろう?

「はい。」

俺のその言葉は想像以上に重かった。

花鵞羅家は小さく、こじんまりとしていた。

外観はレトロな雰囲気だ。

……ボロい。

そんなことを思った。

小日向家では俺はただの手伝い人。

世間上では兄のみが小日向家の息子。

俺の居場所はもう完全に無い。

戸籍上では小日向家。

事実上では花鵞羅家。


何故、俺はこの家に生まれてしまったのだろうか。

神さまは不公平だ。
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