僕と暮らしてくれませんか
「中村さん。」

「はい、なんでしょうか。」

花鵞羅家の秘書、中村。

「この家から出るためにはどうすればいい。」




***


「中村さん、ありがとう。」

「わたくしは彗様の幸せを1番に考えています。

旦那様が怒るのは承知の上ですが、花鵞羅家は破産寸前でございます。

彗様、わたくしは旦那様からいつもあなたのお話を聞いていました。

旦那様も普段から少し冷たい雰囲気を持っていらっしゃいますが、

本当は彗様のことが大好きでございますよ。


いつでも、帰ってきてください。」

中村さんの言葉は暖かかった。
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