僕と暮らしてくれませんか
2日間、それほど親しくもなかったが、他に当てが無いので、ととまった後輩の家。



楽楽家(さしけ)。

「………彗。」

ふいに、女の人の声が聞こえ、振り返る。

「あ、お邪魔させていただきます。」

「彗、彗よね?」

「……はい。」

ちょっと予感はしてたんだ。

「…彗を産んだのはわたしよ。」

「かな、とは思いました。」

別居したはずの母だった。

既に離婚していたらしい。

いつまでも帰ってこない母を、どれだけ期待して待っていたことか。

「…ごめんなさい。」

「いや、いい…」

「ごめんなさい。」


あぁ、うんざりだ。
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