綺麗に泣く
「あ、そう言えば、写真展行った?」
「行ってねえすけど。」
「明は?」
突然こちらに話を振られビクリとしたが、話してもらえたことに喜びを感じる明。
「え、いや、あたしも行ってないです。百武と一緒に行動してるんで。」
明が答えた時、敦の眉が密かにピクッと動いていた。
「なに、バカは友達いないの?」
「え!百武も立派な友達ですよー!あ、女の子なら、いますけど、みんな彼氏と回るらしいです。」
独り身の虚しさを感じ、口を尖らせる。
そして、ハッとなる。
彼女はいるのか!?
「あ、あのー…」
「なに」
「敦さんは、今日は、誰と回るんですか?」
その質問にニヤッとして答える。
「あー、俺は文化祭とかそーゆーのは友達派だからね。だから今日は、春吉と。」
「あ、ああ、なるほど!」
ってチガーウ!
彼女いるかどうか聞けてないジャン!しかも、『文化祭とかそーゆーのは』って言ったよ!『は』!って何、他は!?!?
明の感情は表情に出る。
それは、百武はもちろん、最近仲良くなったばかりの敦だって見抜いている。
敦は、明の表情を見てほくそ笑む。
百武は、イライラする。