先生、死ぬ前に私と恋して下さい
「こんばんは。はじめまして。

学校の教師をしております、英語担当の菊山です。

お嬢さんと会ったものですから、送らせていただきました。」


………先生。変わりすぎでしょ。

先生がにこっとして言う。

先生はいつもの学校の先生モードに入ったようだ。あーあー、騙されるぞー。



「あらぁ〜そーなのぉ?

もぅ〜うちの子がスミマセ〜ン。
あ、もう夕飯ですよね?

食べていきません?」



お母さんも声っ!声!
詐欺レベルに声変わってるからね?



「お誘いありがとうございます。

ですが、この後用事がありまして。

すみません。」


「いーのよー?またいらしてくださいね〜」



「はい。では。宮ノ越また学校でな。

失礼します。」



そう言って先生はペコッと頭をさげ、
わたしたちの前をあとにした。



「なーにー?!あんなイケメンだったのぉー?!」



「もぅ!お母さん!ネギ!!!」



「あーあー菊山先生かぁーかっこよかったわ〜。」

お母さんがそう言いながら家の中に入って行く。

わたしは失笑しながら家の鍵をかけた。
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