先生、死ぬ前に私と恋して下さい


あ、ゆっこたちだ。

「逃げるぞ。」

そう言って先生はまたわたしの手を握った。

「はいっ!!」


ーーー

そのあとは結局勉強しなさいとか言われて、

帰ったんだけど。

わたしはひとりの部屋でつぶやく。

「なーんで、下の名前で呼んだら駄目なんだろ。」

先生だって元カノくらいいるだろーし、

そーゆーのが関係してるのかな?

いや?でも、へんなあだ名とかつけられてたとか?



わたしはしーんとした壁につぶやく。

「…あずさ。」


呟いた言葉は誰にも、なににも邪魔されることなく、

弱々しく消えてった。
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