先生、死ぬ前に私と恋して下さい
第2章
佐川くん
ここで合ってるよね?
わたしは地図を辿っては壁にあたり、
何回迷ったことか。
わたしはチャイムを鳴らす。
中からはガラガラの声で「はい」
と言われる。
「佐川くんのお宅ですか?」
「…誰?」
「隣のクラスの宮ノ越です。」
しーん、となる。
そりゃあ、誰だよってなるよね。
喋ったこと無いし。
てか、みたことないと思うんですけど。
「入って。」
「え?」
インターホンから意外な言葉を言われて
わたしは一瞬固まる。
ドアがカチッと鍵の開いた音がした。