先生、死ぬ前に私と恋して下さい

わたしは先生の方に駆け寄る。

「どーだった、佐川」

「あー、なんかすごいキャラ濃ゆかったです!」

「お前にだけは言われたくないだろーな。」

先生はそう言ってわたしの頭をチョップした。

…先生、失礼ですよ。

「ほら、送ってやるから乗れ。」

そう言って先生は車の方に歩いていく。

そんなかっこいい先生の背中をみつめながら、

わたしはひとりでニヤニヤしていた。

「ふーん。」

影が潜んでいることに気付かずに。
< 45 / 64 >

この作品をシェア

pagetop