夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
何を話したらいいんだーー?
何だかユメがこれまでと違って見えて、言葉が出てこない。
これは、最後に別れた時の罪悪感?
ーーいや、それだけではない気がした。
何だか、今まで感じた事のないソワソワした気持ちが胸の中で暴れていた。
ユメが自分に歩み寄ってくるまでの距離はたいしてない筈なのに、ゆっくりと緊張感のある時間。
一言も発する事も出来ずにいると、先に沈黙を破ったのはユメだった。
「っ……この間は、ごめんなさい!」
ーーえっ?!
そう言って、頭を下げたのも彼女。
酷い言葉を吐き、気持ちに余裕がなくて八つ当たりしたのはワシの方。
それなのに、ユメは私に謝り続けた。
「廊下は走りません。もう、騒がしく、しません。言葉遣いも、気を付けます!」
言葉を詰まらせながら、おそらく自分の悪いと思うところを上げていった。
そして……。
「っ……だから、ッ……また、来てもいいですか?私と、お話……してくれますか?」
顔を上げて、今にも泣き出しそうな子供のような表情で尋ねてきた。