夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
心が穏やかになっていたワシは、この時ようやく彼女をしっかり見たのじゃろうな。
ユメのその姿を見ていたら、思わず頰が緩んだ。
「……馬鹿じゃねぇの?別にもう怒ってねぇよ」
「え?」
「来ればいいじゃん。いつでも……」
素直に「ごめん」とは言えなかった。けれどユメは、その言葉に瞳を輝かせるとまた以前のように子供っぽく笑って、ワシの手を取ってぴょんぴょん跳ねた。
「本当?!約束!約束だからね〜!
……あ!ごめん、っ……なさい!き、気を付けます!」
すぐにハッとして、また大人しく装おうとする。その彼女の姿を見て、ワシは胸が暖かくなった。
この暖かさが何なのか、今なら分かる。”可愛い”、”愛おしい”そう思う気持ちにこの時気付けていたら、ワシとユメの未来はもっと楽しく幸せじゃったのだろうな……。