夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
(3)
「なぁ、先生!もう退院してもいいだろ?
俺は早く仕事に戻りてぇんだよ!」
二ヵ月程の入院生活が過ぎたある日ーー。
まだ松葉杖は必要だが、一週間前からリハビリを始めていたワシは医師に尋ねた。
この田舎町での生活は、入院当初に比べたらすっかり心地良くなり嫌いではない。
けれど、ワシにはやはり仕事が1番で……。自分にとって1番の生き甲斐じゃった。
……だから。
この後、医師に聞かされる言葉が、自分の今後の人生を左右する事になる程だなんて、受け止めきれなかった。
「ギャランさん、残念ですが……。貴方はもう元の職業には、戻れないと思います」
「……は?」
「退院出来ても、何でも屋として生きる事は難しいと思うんです」
「……」
医師が何を言っているのか、分からなかった。
予想もしていなかった医師からの返答に、一瞬呆けて……。その後、ワシは笑った。