夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
毛布一枚の暖もない物置小屋。
ゆっくり瞼を閉じ、このまま眠るようにここで凍え死んでしまえたら、と思った。
その時……。
「ーーあ!いたぁ〜ッ!!」
ガラッと勢い良く開いた物置小屋の扉。そしてその音と共にワシの耳に届いたのは……。
「ここに居たんだね!……じゃ、なくて!ここに居たんですね、ギャランさん!」
この二ヵ月、誰よりもワシの傍に居てくれた人物の声ーー。
「まさか」と、パチッと目が覚める。
見開いた視線の先に居たのは、ユメ。
「?!っ……お、お前!なんでこんな所にッ」
夢ではない。幻聴でも、幻覚でもない。
ユメがいつもと変わらない笑顔でワシを見ていた。
けど、信じられない。
まさか、自分を探しに来てくれる人が居るなんて……信じられなかった。
驚いて上半身を起こしたワシが見つめていると、彼女は物置小屋の扉をパタンッと閉めて、傍に寄って来て隣に座った。