夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
「16で父親になるだぁ〜〜〜ッ?!よ、嫁さん一体いくつなんだよッ?!」
金持ちの家の奴等の婚姻が早いのは、この世界では当たり前。でも、見た所ノイは裕福な暮らしをしているようにはとても見えない。
服は3日に一度同じ服を着ているし、お昼ご飯のお弁当だっていつも質素で、周りの仕事仲間が不憫に思ってお裾分けしてくれる位だ。
第一、金持ちならばこんな場所で汗水垂らして働く事もないだろう……。
「ーー奥さんは、僕より15歳上です。あ、正式には、まだ僕の年齢のせいで結婚出来てないんですけどね」
ノイはワシに全てを話してくれた。
作家の夢を反対され家を飛び出した際に、奥さんと出逢った事。自分が一目惚れして、出逢った当時娼婦だった彼女に猛アタックした事。子供が出来たと聞かされた時、自分が今まで生きてきた中で最高に嬉しくて幸せだった事……。
キラキラした表情で、語ってくれた。