夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

「……すげぇな、お前」

ノイの話を全て聞いた後にワシの口から出たのは、その一言じゃった。
それ以外、見付からなかった。

そんなワシにノイは一瞬驚いた表情を見せたが、すぐに微笑った。
そしたら……。そのノイの笑顔を見ていたら、ずっと閉ざしていた心の窓が自然と開いて、ワシは口を開いた。

「俺さーー……」

今まで誰にも語らなかった自分の過去を、彼には全て話した。
今まで、”誰かに話してどうにかなる事ではない”と、自らの事を話す事などしなかったのに……。


ノイは、途中一言も口を挟む事もせず、ただ聞いてくれた。
そして、ワシを導いてくれるーー……。

「ーーなら、創りましょうよ」

「!……え?」

「ギャランさんが創ればいいんですよ。貴方が憧れた、家族のような何でも屋。親分《ボス》さんの何でも屋を超える、絆が強い何でも屋を……」

また、突拍子もない事を言う。
ワシの想像を、遥かに超えていくノイの言葉。
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