夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

「俺には、無理だよ。そんな器じゃ……」

「大丈夫ですよ!ギャランさんなら、出来ます!」

ハッキリと言い切るノイ。
こんな無責任とも取れる言葉。きっと、彼以外に言われたら、怒鳴り声を上げていた。

……けど。
ワシを見つめるノイの瞳が、まるで未来を見通す水晶のように澄んでいて……。心を穏やかにしてくれる。

「なんで、そう思う?」

「だって、ギャランさんは僕の奥さんの事を一言も悪く言わないでいてくれました!」

根拠があるような、ないような一言なのに。ノイがあんまり嬉しそうに言うから、納得してしまう。

「大体の人は言うんです。『お前は騙されてる』『そんな女とは早く別れろ』『本当にお前の子なのか?』……って。大変だな、苦労してるんだな、大丈夫か、って目で、僕を見るんです。
……でも、ギャランさんは違いました」

「えへへ」っと、笑う顔は無邪気で子供みたいなのに、言葉にはズシリとした深い重みを感じる。
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