夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
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「な?お前の奥さん、どんな女性《ひと》?」
「えッ?!」
こんな質問、生まれてこの方始めてじゃった。
新たな目標が決まり、その為に過ごして行く日々の中で自分でも分かるくらいに変わっていく自分。
少し恥ずかしい気もしたが、”ノイならば”と素直になれた。
ワシの質問に驚いて顔を真っ赤にしたノイじゃったが、すぐにその表情は幸せそうな笑顔に変わった。
「そうですね、一言で言うと……天女みたいな女性です!」
「天女?」
「はいっ!長くて艶やかな黒髪に、白い肌……。それに、歌声がほんっとに綺麗で……」
奥さんの事を語るノイの幸せそうな姿を見て、そんな風にハッキリと誰かを”好き”と言える彼が羨ましくなった。
恋とはそういうものなのか……。愛おしい相手とは、自分の目にそんなに輝いて映るものなのか、と思った。
すると、どうだろう?
それと同時に自分にも以前そんな風に想えた女性がいた事を思い出すーー。