夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
『ギャランさん!』
いつも元気に、ワシを呼んでくれた一人の少女。
初めて見た時は、その子供っぽさに呆れた。
次に会った時は、屈託のない態度にどう接していいのか分からずイライラした。
……けど。
いつの間にか、傍に居るのが当たり前のようになり。一緒に、笑えるようになった。
そして、最後の夜。
独りぼっちのワシに寄り添ってくれた彼女を見た瞬間。
ワシの瞳に、彼女は確かに天使に見えたーー……。
っ……いや。
でも、まさか、そんな訳ない。
頭を過ぎった想いに視線を逸らすと、それに気付いたのかノイが質問を返してきた。
「ギャランさんは?」
「!……え?」
「好きな女性、いるんでしょう?」
「いないんですか?」じゃなくて、「いるんでしょう?」なんて、好きな人がいる暫定形。
本当に、おかしな事を言う。
その質問にドキッとして……。でも、ワシは誤魔化すようにぷっと笑った。