夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

「いねぇよ」

何を考えているのかよく分からない奴。
昔はそう言われていたワシじゃった。

けど、相手が悪い。

「え〜?嘘ですよ!
さっき一瞬浮かんだんじゃないですか?他の女性とは違う、特別な風にギャランさんの目に映った女性が」

ノイの前では、下手な小細工も嘘も見破られてしまう。

「ッーー……ったく。
人の心覗いてるみたいに言い切るんじゃねぇよ」

自分の気持ちをハッキリと言い当てられて熱が高まる顔を、ワシは両手で覆って俯いた。

本当は、とっくに気付いていた自分の気持ち。
あの夜、咄嗟に彼女を欲しいと思った気持ち。嫌われたくない、拒絶されたくないと思ったあの時の気持ち……。
あの気持ちを表す言葉は、たった一つしかないじゃろう。


ーーしかし。
当時のワシは、まだ信じられなかった。
だから確かめたかった。もう一度、会って確かめたかった。

ユメに、会いたいーー。

そう思って、ワシは再びあの田舎町を訪れた。
……
…………。
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