夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
***

今まで生きてきて、1番緊張感した瞬間じゃった。
親分《ボス》の元に入り、初任務を任された時よりも高鳴る鼓動。

不安、心配、恐怖、罪悪感……。
しかし、それだけではない。

ユメにもう一度会えるーー。

僅かながら、自分の中に打つ鼓動にはそんな喜びが込もっていた。


ワシがユメの元を訪れるようすすめてくれたのも、ノイじゃった。

ノイは本当にすごい。
自分で何でも屋を創る際に必要な資金作りに頭を悩ませていたワシに、彼は言った。

『ギャランさんの得意なゲームで増やしたらいいんじゃないですか?』

仕事の休憩時間にたまにやっていたカードゲームやボードゲーム。いつも1番だったワシの才能を見抜いて、ノイはそう言った。
特技とはいえ遊びが、資金作りに役立つなんて考えもしなかった。

『ギャランさんなら、大丈夫ですよ!』

その言葉を信じて臨んだ初カジノで、ワシは一夜にして何でも屋を創れる程の資金を手に入れた。
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