夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
そんな人生の中で出逢ったアカリ様。
きっと、彼と彼女はまさに”運命の相手”なのだろう。
一度は引き離され、記憶を失くしておられるのに、この広い世界で二人は再びこうして出逢ってしまわれた。
そして……。
「っ……マオさん!
あの、っ……今日はもう、帰りませんか?」
「!……え?」
「夏だから明るくて分かりませんが、もうけっこう遅い時間です。私、帰ってご飯の支度しなきゃ……。
っ……それに、マオさんもずぶ濡れだし。風邪、ひいたら大変ですよ?」
私とマオ様の間に入り、さり気なく帰るように促してくれたアカリ様。
その彼女を見つめる、マオ様の瞳。
「……そう、ですね。
アカリさんも、お忙しい……ですよね?
すみません、子供みたいな事言って……」
照れてハニカミながらそう言うマオ様の瞳は、確かに記憶を失くす前の彼ーー。
ヴァロン様がアカリ様を見つめる優しい瞳と、同じだった。
……
…………。