夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

何度も何度もお礼を言って、儲けの一部を渡そうとしたワシに、ノイが言った。

『お金はいりません。その代わり、僕のお願い事をいくつか聞いてくれませんかーー?』

……。
本当に、無欲なノイ。
そんなノイの願いの一つが、この田舎町へ行く事。

『そこに、ギャランさんを待ってる人がいます。迎えに行ってあげて下さい!』

下手な占い師よりも絶対に当たるであろう、彼の予言のような言葉。

待っている人がいるーー。

その言葉に、ユメがワシを待っていてくれているのだと信じられて、ここに来た。


お世話になりながら何も言わず、ユメにあんな事をして逃げるように町を去った自分。
石を投げられようが、殴られようが、罵声を浴びせられる覚悟も出来ていた。

気を引き締めて町へ足を踏み入れ、ユメがいるであろう孤児院の方へ足を進めた。
元々そんなに人口のない、町というより村に近いこの町。各自の仕事が忙しい時間帯だからか町の人とすれ違う事はなく、孤児院の前にたどり着いた時、数人の子供達が目に映った。

そして、その子供達を見守る女性ーー……。
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