夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

「ーーッ?
あ、貴方は……もしかして、ギャラン、さん?」

そうワシを呼んだのは、教会のシスターが身に纏うようなローブに身を包んだ、年配の女性。その女性は、ユメが”ママ先生”と呼んでいた孤児院の先生じゃった。

驚いた表情のママ先生と目が合って、ワシは言葉が出て来なくて、何も言えず、ただ、深く頭を下げた。
ユメの育ての親である彼女。絶対に誰よりも、ワシを恨んでいるに違いなかった。

地面を踏みしめ一歩一歩、ママ先生の足音がゆっくりと近付いてくる。正面で止まって、もう一度「ギャランさん」と呼ばれた時は、歯を食いしばって顔を上げた。

しかし……。

「よく、来てくれましたね。
……おかえりなさい。貴方が来るのをずっと待っていたんですよ」

ーーえッ……?

耳を疑う優しい声と言葉。
驚きのあまり目を開くと、ママ先生はワシの予想とは真逆の穏やかな笑顔。
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