夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
ママ先生がワシを連れて来た先ーー。
そこは、いくつかの墓が連なる墓地じゃった。
足を踏み入れて、そこが墓地と分かった瞬間に”まさか”と過ぎる、信じたくない現実。
きっとユメに会いに行く為の、ただの通り道だーー……。
頭に思い浮かべた、まさに現実逃避とも言えるそんな淡い期待は、すぐに崩される。
一つの、まだ新しい墓の前で歩みを止めたママは、腰を降ろして語りかけた。
「ユメ、ギャランさんが来てくれたのよ」……と。
期待は、絶望に変わる。
鳴り止まぬ鼓動は大きく響いて、ワシの心に鋭いナイフのように何度も何度も突き刺すように打った。
まるで服を全て奪われて、身体が冬の冷たい風を直接受けたように冷えていく。
もうユメがこの世にいない事を知らしめる墓に刻まれた文字を瞳に映しながら、ワシは暫くその場から動けなかった。