夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
『ギャランさんが創ればいいんですよ。貴方が憧れた、家族のような何でも屋。親分《ボス》さんの何でも屋を超える、絆が強い何でも屋を……』
……やっぱり、無理だ。
掴みかけていた夢が、幻のように薄れて行く。
『そこに、ギャランさんを待ってる人がいます。迎えに行ってあげて下さい!』
……ノイの魔法の言葉ですら、ワシのような阿呆には効かない。
「ノイの、嘘吐き野郎……」
苦笑いと共に漏れた呟き。
ノイのせいにしたかった。
けれど、違うと分かっている。全てはワシの、中途半端な生き方が招いた結果。
夢も希望も未来も、自らの手で掴む以外有り得ないのだから……。
しかし……。
やはり、独りがいい。
ずっと、独りで生きていこう。
独りでいれば、もうこんなに痛い想いをしなくてもいい……。
再び襲ってきた絶望に、弱いワシはまた逃げようとしていた。
この時もう一度孤独の道を歩んでいたら、ワシの一生は本当にどうしようもなくて、”何故生まれてきたのだろう?”と問い続ける人生になっていたに違いない。