夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
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「戻ったらすぐにお風呂に致しましょう。
……その前に、マオ様。ポケ電をお預かりします」
帰りの車内。
私の言葉に、隣に座られているマオ様の身体がビクッと跳ねた。
アカリ様のお言葉のおかげで、あの後マオ様は素直に私と共に帰宅する事を受け入れてくれた。
けれど、それで一件落着ではない。
マオ様とアカリ様、今後も二人を繋ぐであろう危険なものは消去しなければ。
港街の広場で、ポケ電の番号交換をしていたお二人を私は知っていた。
アカリ様とお子様達と遊び、楽しそうに微笑っていた事も……。
お可哀想なのは、解っている。
ずっと我慢ばかりしてきたこの方から、幸せを奪いたくはない。
ーーでも。
だからこそ、今を見過ごす訳にはいかない。
この事がシャルマ様の耳に入れば、マオ様も、その大切なものもどうなるか分からないのだから……。