夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

ミネア様との婚姻が無事に済み、その関係が確かなものになれば、マオ様はきっと幸せになれる。
いずれお子も設けられ、ご自分の家族と笑い合える日が来る。


その為にも、これ以上過去に触れるような事。
特にアカリ様との接触は何としても避けさせねばならない。

他のお願いや我が儘ならば、私は喜んで聞こう。
しかし、これだけは譲れない。


「……マオ様。
私とて、貴方様相手に力づくで奪いたくはありません」

「っ……」

「シャルマ様に、ご報告しますよ?」

「!ッ……待って!ディアス!
分かった!っ……分かったからッ!!」

”シャルマ様に”という強調した言葉と、電話をかけるフリをした私を見て血相を変えると、マオ様はようやく自分のポケ電を差し出した。

震える手から受け取り、確認するとポケ電の中には確かにアカリ様の番号が登録されている。
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