夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
「よっぽど好きなんだな」
「え?」
「そんなに桜が好きなんて知らなかった」
花びらと一緒になって、長い黒髪をなびかせながら妖精のように舞う妻に微笑むと、キョトンとした表情を浮かべた彼女は歩み寄った俺を見上げる。
髪に付いていた花びらを取ってやると、その花びらのように頬をピンク色に染めた彼女が言った。
「ヴァロンと、一緒だからだよ」
「え?」
「ヴァロンと一緒だから、綺麗なんだよ?」
背伸びをして、呆気に取られる俺の頭に手を伸ばした彼女が、同じように手にした花びらを見せながらハニカム。