夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
***
「きっと……もう誘ってもらえないね」
洗面所で手を洗いながら、思わず心の声が口から溢れていた。
せっかくの休日にわざわざ自分を誘って、大切な話をしてくれたアラン。
それなのに自分は「応援してくれますか?」って弟の問い掛けに、「勿論」って、答えただけだ。
「おめでとう」とか、「頑張って」とか、「力になるよ」とか……言えなかった。
僕は、兄失格だ。
そう感じて、席に戻ったら必ず言おうと思った。大切な弟の幸せを、祈ってた。
……でも。
その弟が愛する人も、僕にとって、大切な人ーー。
「ーーマオさん!」
「!っ……」
店内の通路奥にある洗面所。
まさに、そこから出ようと扉を開けた瞬間だった。
僕の名前を呼びながら、花がパアッと咲くような大好きな笑顔が、瞳に飛び込んできた。
トクンッと、暖かくなる鼓動。
アカリさんーー。
その姿を目の前にしたら、さっきまでの悩みとか……。今までの嫌な事が全て頭から消えていた。
「きっと……もう誘ってもらえないね」
洗面所で手を洗いながら、思わず心の声が口から溢れていた。
せっかくの休日にわざわざ自分を誘って、大切な話をしてくれたアラン。
それなのに自分は「応援してくれますか?」って弟の問い掛けに、「勿論」って、答えただけだ。
「おめでとう」とか、「頑張って」とか、「力になるよ」とか……言えなかった。
僕は、兄失格だ。
そう感じて、席に戻ったら必ず言おうと思った。大切な弟の幸せを、祈ってた。
……でも。
その弟が愛する人も、僕にとって、大切な人ーー。
「ーーマオさん!」
「!っ……」
店内の通路奥にある洗面所。
まさに、そこから出ようと扉を開けた瞬間だった。
僕の名前を呼びながら、花がパアッと咲くような大好きな笑顔が、瞳に飛び込んできた。
トクンッと、暖かくなる鼓動。
アカリさんーー。
その姿を目の前にしたら、さっきまでの悩みとか……。今までの嫌な事が全て頭から消えていた。