夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
幼少期。ご友人が一人もおられなく、いつも田舎町の公園で寂しそうにしていたあの姿。
マオ様として会った彼から、あの時の姿を思い出した私が元気付ける為に言った言葉。
ようやく自分と向き合えそうな人物ーー。
黒猫を預かってくれた人の事を話してくれた時、マオ様はとても嬉しそうだった。
”私ならば”と、話してくれたに違いない。
それなのに、こんな酷い事をする私は、マオ様からしたら”裏切り者”の何者でもないだろう。
しかし……。
「ご友人になる人物はお選び下さい。
特に、異性とのご接触は禁物です。男と女の友情など、不安定。何か間違いがあってからでは遅いのですから……」
嫌われてもいい。
憎まれてもいい。
私は冷たい言葉をかけ続ける。
何故なら……。
「っ……なんだよ、間違い、って……。
僕はッ……僕は、ただ……っ。
……あの人の笑顔を、見てたいだけ……だよ。
それがそんなに、いけない事なのっ?」
マオ様が俯いて、拳を膝の上で握り締めながらそう言う姿を、チラッと横目で見て確信した。