夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
***
目、赤いかな……。
涙をなんとか止めて帰り支度を整えると、パン屋さんを後にした。
頑張ると決めたのに、また泣いてしまった。
「……来るわけ、ないか」
鞄からポケ電を取り出してメッセージや着信を確認する。
……が、何もない。
また、悲しくなってくる。
グッと涙を堪えて、以前ヒナタが撮ってくれた自分とマオさんが映っている待ち受け画面を見つめながら歩いていると……。
「ーーちゃんと前を見ないと転ぶぞ」
その声にハッとした時には遅かった。顔を上げた視線のすぐ先には、私を見てフッと笑うアラン様。
ずっとずっと避けてたのに、1番会いたくないタイミングで1番会いたくない人に会ってしまった。
しかも、後退りしようと足を一歩下げた瞬間。アラン様に手に持っていたポケ電をひょいっと奪われてしまう。
「!っ……か、返して!」
何とかして取り返そうとするが、私が正面に回り込む動きを読んでいるかのように背を向けられて全く取り返せる気がしない。
目、赤いかな……。
涙をなんとか止めて帰り支度を整えると、パン屋さんを後にした。
頑張ると決めたのに、また泣いてしまった。
「……来るわけ、ないか」
鞄からポケ電を取り出してメッセージや着信を確認する。
……が、何もない。
また、悲しくなってくる。
グッと涙を堪えて、以前ヒナタが撮ってくれた自分とマオさんが映っている待ち受け画面を見つめながら歩いていると……。
「ーーちゃんと前を見ないと転ぶぞ」
その声にハッとした時には遅かった。顔を上げた視線のすぐ先には、私を見てフッと笑うアラン様。
ずっとずっと避けてたのに、1番会いたくないタイミングで1番会いたくない人に会ってしまった。
しかも、後退りしようと足を一歩下げた瞬間。アラン様に手に持っていたポケ電をひょいっと奪われてしまう。
「!っ……か、返して!」
何とかして取り返そうとするが、私が正面に回り込む動きを読んでいるかのように背を向けられて全く取り返せる気がしない。