夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
***

幸せにしなきゃ、って……思った。
今の僕がしなくてはいけない事は、ミネアさんの事を1番に考えて生きて行く事ーー。

そう思って、僕はまず自分に出来る仕事を探す事にしたんだ。
出来る事は限りなく少ないけど、少しずつ、一歩ずつでも変わって……ミネアさんの夫として恥ずかしくない存在になろうと思った。

まだ報告書一つ作るのにいっぱいいっぱいだけど、一つずつ熟していけば、きっといずれは記憶も戻っていい方向に行く筈。


「あ!早く持って行かなくちゃ」

ふと時計を見ると、間もなく17時。
今日も報告書を作るのに定時ギリギリまでかかってしまった。
僕は綺麗にファイリングした報告書を持つと、それを渡しに行く為に席を立った。
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