夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
きっと、取り上げられてしまったんだ。
番号交換が出来て、連絡が取れるって浮れていた私への罰。
……いや。
ポケ電を取り上げられただけならば、いい。
あの後。
別れた後のマオさんが、今どうしているのか気になる。
ディアスさんが彼を傷付けるような事はしないと思うが、私を見る威嚇した眼光。
三年前のディアスさんとはあまりにも違いすぎて、不安が拭えない。
それに……。
『明日は早い時間からミネア様とお義父上様と、結婚式の打ち合わせがございます。
お忘れですか?マオ様』
胸を突き刺されるような、一言だった。
「……。
そろそろ、寝なきゃ」
ポケ電の画面に表示されている時刻は間も無く23時。
明日はパン屋さんのお仕事があるから、早めに休まなくては……。
こんな気持ちのまま眠れるとは思えなかったが、とりあえずベッドに入ろうと私はソファーから重い腰を持ち上げて、寝室に向かった。
すると……。
「ママ?だいじょうぶ?」
「!……ヒナタ」
寝室に足を踏み入れ、「ふぅ〜」と溜め息を吐いた私に声をかけてきたのは娘のヒナタ。