夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
***
「アラン!ア〜ラ〜ン!」
「……」
「お〜い!アラン!
聞こえてんだろ?無視すんなよ〜!」
「っ……あ〜!もうっ、うるさい!
病人なんだから大人しく寝ていろ!」
関係者(身内)以外立ち入り禁止の兄上の病室。
椅子に座り、膝の上に乗せた小型のパソコンをいじりながら仕事をしている私に、ベッドに座っている兄上がちょっかいを出してくる。
「眠くねぇのに寝れる訳ねぇじゃん!
なっ!遊ぼうぜ〜オセロでもチェスでも何でもいいからさ〜!」
「眠くなくても横になってろ!
ったく、その口塞いでベッドに縛りつけるぞ!」
「お!いいね〜!やってみろよ!
さっ、来いよ来いよ〜!」
椅子から立ち上がり詰め寄ると、兄上は人差し指を立ててちょいちょい、っと私に向けて嬉しそうに笑った。
その無邪気な笑顔に、分からなくなる。自分の兄上に対する感情も、兄上の私に対する感情も……。
「っ……」
母親の恋敵の息子なのに調子を狂わされる。
プイッと、無視して椅子に座り直すと私は再び膝の上に小型パソコンを置いて作業を始めた。
「アラン!ア〜ラ〜ン!」
「……」
「お〜い!アラン!
聞こえてんだろ?無視すんなよ〜!」
「っ……あ〜!もうっ、うるさい!
病人なんだから大人しく寝ていろ!」
関係者(身内)以外立ち入り禁止の兄上の病室。
椅子に座り、膝の上に乗せた小型のパソコンをいじりながら仕事をしている私に、ベッドに座っている兄上がちょっかいを出してくる。
「眠くねぇのに寝れる訳ねぇじゃん!
なっ!遊ぼうぜ〜オセロでもチェスでも何でもいいからさ〜!」
「眠くなくても横になってろ!
ったく、その口塞いでベッドに縛りつけるぞ!」
「お!いいね〜!やってみろよ!
さっ、来いよ来いよ〜!」
椅子から立ち上がり詰め寄ると、兄上は人差し指を立ててちょいちょい、っと私に向けて嬉しそうに笑った。
その無邪気な笑顔に、分からなくなる。自分の兄上に対する感情も、兄上の私に対する感情も……。
「っ……」
母親の恋敵の息子なのに調子を狂わされる。
プイッと、無視して椅子に座り直すと私は再び膝の上に小型パソコンを置いて作業を始めた。