夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

「夢だったんだよな。
こうやって、弟と一緒に遊ぶの」

「!……は?」

「自分に兄弟が出来て、こうやってずっと遊びたかった。
だから、母さんに赤ちゃんが出来た時はめちゃくちゃ嬉しかったんだ。
……会えなかった、けどな」

「……」

一瞬、言葉が出てこなかった。
兄上の母親が、父の子供をもう一人身籠っていたという事実を初めて知って、ショックだから……では、ない。

盤面から顔を上げて、私を見つめる兄上の瞳が……とても優しくて美しかったからだ。

「っ……わ、私はッ……その弟ではない!」

「ははっ、んな事分かってるよ。お前はお前はだよ、アラン。
……でも。俺は、お前が居てくれて嬉しいよ」

「っ……」

そう言われて、胸が騒つく。

「お前が居てくれて嬉しいよ」
そんな事を言われて、ますます分からなくなる。

ーーでも。
なんだか暖かくて、目の奥に熱が集中していく感覚。
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