夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
***
そして、今ーー。
最近少しずつだが、会話も出来るようになってきた。
兄上が仕事にも、徐々に進歩を見せてきた。
「ならば、ライバルですね」
「選ばれるといいですね。私か、兄上の企画案が」
そう言ったら、兄上が少し微笑ってくれた。
これをキッカケに、前みたいにまた笑い合える日が来ると……思っていた。
それなのに……。
企画案結果発表の日。
「いいな、アラン。お前がその企画案の通りに進めろ」
社長室に戻った私に、シャルマ会長が残酷な事を告げる。
「っ……ですが、ッ……この企画案を考えたのは兄上ではないですか!」
おかしいとは思っていた。
私にだって、自分の企画案と兄上の企画案を見比べて、自分の方が劣っている事はすぐに分かっていた。
それでも、シャルマ会長なりに……。祖父なりの考えがあり、私の企画案が採用されたのだと、信じたかった。
「あいつには無理だ。
その企画案をそのまま形にする力はない」
……けど、違う。
祖父が考えていたのは、兄上を徹底的に叩き潰す酷い仕打ち。
そして、今ーー。
最近少しずつだが、会話も出来るようになってきた。
兄上が仕事にも、徐々に進歩を見せてきた。
「ならば、ライバルですね」
「選ばれるといいですね。私か、兄上の企画案が」
そう言ったら、兄上が少し微笑ってくれた。
これをキッカケに、前みたいにまた笑い合える日が来ると……思っていた。
それなのに……。
企画案結果発表の日。
「いいな、アラン。お前がその企画案の通りに進めろ」
社長室に戻った私に、シャルマ会長が残酷な事を告げる。
「っ……ですが、ッ……この企画案を考えたのは兄上ではないですか!」
おかしいとは思っていた。
私にだって、自分の企画案と兄上の企画案を見比べて、自分の方が劣っている事はすぐに分かっていた。
それでも、シャルマ会長なりに……。祖父なりの考えがあり、私の企画案が採用されたのだと、信じたかった。
「あいつには無理だ。
その企画案をそのまま形にする力はない」
……けど、違う。
祖父が考えていたのは、兄上を徹底的に叩き潰す酷い仕打ち。