夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
***
「本日もお疲れ様です、アラン様」
私がその夜仕事を終えて迎えの車が用意されているエントランスへ向かうと、いつも通りジュゼが出迎えてくれ、後部座席の扉を開けてくれた。
「ジュゼ、帰る前に祖父の家へ寄ってもらっていいか?……兄上に会いたい」
兄上が早退してから、やはりずっと気になっていた。
妙に明るかった兄上。気のせいならばよいが、もう一度自分の目でその様子を確認したかった。
車に乗り込みながら指示を出すとジュゼは一瞬驚いた表情をしたが、「かしこまりました」と、すぐに微笑んで扉を閉め、自分も運転席に乗り込む。
「最近、マオ様と仲がよろしいのですね」
「……おかしいか?」
「いえ、良き事にございます。
たったお2人のご兄弟、仲睦まじい姿を見られて……。
ーーいえ。私はアラン様の柔らかな表情が見られて、大変嬉しゅうございますよ」
そう言ってジュゼは微笑った。
私の表情が、柔らかくなった?
自分の中で何らかの変化が起きている事には気付いていたが、まさか表情まで?
ジュゼに改めて指摘されると、何だかくすぐったい気持ちになり思わず口元に手を当てて俯いた。
「本日もお疲れ様です、アラン様」
私がその夜仕事を終えて迎えの車が用意されているエントランスへ向かうと、いつも通りジュゼが出迎えてくれ、後部座席の扉を開けてくれた。
「ジュゼ、帰る前に祖父の家へ寄ってもらっていいか?……兄上に会いたい」
兄上が早退してから、やはりずっと気になっていた。
妙に明るかった兄上。気のせいならばよいが、もう一度自分の目でその様子を確認したかった。
車に乗り込みながら指示を出すとジュゼは一瞬驚いた表情をしたが、「かしこまりました」と、すぐに微笑んで扉を閉め、自分も運転席に乗り込む。
「最近、マオ様と仲がよろしいのですね」
「……おかしいか?」
「いえ、良き事にございます。
たったお2人のご兄弟、仲睦まじい姿を見られて……。
ーーいえ。私はアラン様の柔らかな表情が見られて、大変嬉しゅうございますよ」
そう言ってジュゼは微笑った。
私の表情が、柔らかくなった?
自分の中で何らかの変化が起きている事には気付いていたが、まさか表情まで?
ジュゼに改めて指摘されると、何だかくすぐったい気持ちになり思わず口元に手を当てて俯いた。