夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

「……久し振り、だね?」

白金色の髪と瞳。
鏡に映る自分に苦笑いしながら挨拶をした。
一族とも、両親とも違う、異国の人間のような容姿の僕。

何故自分だけ、みんなと違うのーー?

祖父に指摘された時は一時期にそう思って、この容姿のせいで嫌われているんだって……思ってた。
けど、違う。
僕が祖父に嫌われているのも、自分で自分を好きになる事が出来ないのも……。何も出来ないのは、容姿のせいじゃない。
僕自身が、心が……ダメで、弱いからなんだ。

「……ごめんね?」

自分の髪に触れて、謝った。
鏡に映る自分の瞳を見て、謝った。


もしも……。もしも、僕が僕を好きになれたら何かが変わるのだろうか?

……分からない。
けど、久し振りに見た鏡に映る白金色の髪と瞳の自分を、そんなに嫌だと思わなかった。
むしろほんの少しだけど気持ちがスッキリとして、不思議と伊達メガネを外している事も出来た。

まるで心が、"これが本当の自分だ"と言っているかのように……。

……
…………。
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