夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
少女は全てを受け入れ、愛おしい人に別れを告げると、来世への道へと見送る。
再び巡り逢える可能性が、ゼロではないと……信じて。
絵本では、ここで終わってしまう物語り。
ーーけど。
このお話には続きがあって……。
「……ーーっ、て。……あれ?」
この物語りに続きがある事を、何故自分が知っているのだろう?
ふと、そう思って歩みを止めた。
昔?
子供の頃?
……誰かに、聞いた?
ーー思い出せない。
でも、僕は確かに知っているんだ。
絵本に描かれていないこの未来《さき》の続きを
……。
来世へ生まれ変わる為の扉がたくさんある中で、謎の光が止めるのを聞かずに、少年はその中で1番過酷な来世へと繋がる扉を開こうとする。
その扉の先にある来世が、唯一、愛おしい少女と再会出来る可能性がある道だから……。
『例え1パーセントでも逢える可能性があるなら、俺は行く。
あいつの罪を、俺も一緒に背負ってでも……』
そう、心に決めて。