夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

『お前の夢は、俺が絶対叶えてやる』

例え何度引き離されても、例え全てを忘れてしまっても、この約束が二人をもう一度出逢わせてくれると……信じて。


「……っ?」

気が付くと、涙が溢れて頰を伝っていた。
そして、締め付けられるような胸の痛みと同時に"逢いたい"という気持ちで心の中がいっぱいになる。

その相手が誰なのか分からない。
何故こんなにも、この物語に感情移入してしまうのか分からない。

でも、居ても立っても居られなくなった。

「ッ……!」

涙を拭って、僕は駆け出した。


ただ真っ直ぐ、目的の地を目指す。
そこに何があるのか分からないけど、辿り着けたら、全てが分かる気がした。
この気持ちが何なのか、自分が何者なのか……。

逢える気が、したんだ。
約束の地の、満月の下で、僕の大切な月姫様に……。

【※来週は旅行に行く為、連載をお休みさせて頂きます。次回更新は10月4日を予定しておりますm(_ _)m】
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