夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

上半身の動きを封じられた私は覚悟を決め、足を思いっきり振り下ろしてディアスさんの足を踏みつけよう考えた。
この程度の事で相手が怯むとはとても思えないが、今自分に出来る精一杯の事をしようと思った。


ーーが、次の瞬間。

「アカリさんっ……!」

名前を呼ばれたと思ったら、突然私を拘束していたディアスさんの手がパッと離れ……。自由になった私とディアスさんの間に、誰かが立ちはだかる。

あっという間の出来事に驚く私の鼻に、ふわっと香る花の匂い。
目を向けると、その人は私より小柄なのに自分の背で私を護るようにしてくれていた。

「っ……ユイ、ちゃん?」

それは、三年前に私が連れ去られた事件の日以来に初めて目にするユイちゃんの姿。
左右を三つ編みに結わえていた当時とは違うショートヘアー。そして夢の配達人の調査員の証である紺色の制服に身を包んでいた。

「お久し振りです、アカリさん。
……でも、今は再会を喜んでいられる状況じゃありません」

驚きで呆けている私に、ユイちゃんが言った。
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