夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

辛さを勇気に変えて、私は進んで行く。
いつもヴァロンと共に過ごした日々はまるで雨上がりの晴れ渡る空のようで、悲しみの先には輝く光があると信じられるから……。

何度躓いても、その先に愛おしい人の笑顔があるなら頑張れる。
私は、何があっても、頑張れるよ。


新たに決意を固めて、娘を寝かし付けると私も床についた。

寝る前に、ヴァロンのワイシャツの匂いを嗅いだせいだろうか?
この日の夢には、彼が出て来たんだ。
とてもとても、幸せな夢。

夢の中で、ヴァロンは突然私の勤め先のパン屋さんにやって来て「今からデートしよ?」って誘ってくれるの。
仕事中にダメ、って思いながらも、私は嬉しすぎて堪らなくて……。
彼の手を取って、デートに出掛ける。

そんな、いけない事だけど、幸せな夢。


正夢ならば、どんなにいいだろう。
ヴァロンへの想いで、いっぱいだった。

……けれど、翌日。
そんな私をデートに誘いに来るのは、意外な人物だった。
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