夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
『今日からお前は私の愛人《おんな》だ。
普段男として装っているお前の本当の姿を、私だけが見られるのも一興だ。私だけに見せろ、全てな……』
ーー私は、この身をシャルマ様に捧げた。
それでも良かった。
身体は奪われても、心が本当に大切な人を忘れないで居られるのであれば……。
大切な方にお仕えする事が出来るのならば、護る事が出来るのであれば、女の身体《この身》も私の武器になる。
何でもしよう、いくらでも捧げよう。
側に居られたら、それ以上はもう何もいらない。
それが例え、間違った道だとしても……。
「っ……何故?
あなた程の強さがあれば、別の方法でも護れ……」
「ーー護れないんだよ」
「!っ……あなた、はッ」
その声にハッと我に返る。
護れないんだよーー。
突然そう言って現れた人物を見て、ユイ様は驚いていた。
少々思い出に浸りすぎた。
そのせいで、私もこの方が近付いて来ていた気配を感じとるのが遅れてしまった。
ユイ様を自分の背後にやりながら、私の前に立つのはーーアラン様。