夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

この気持ちは、なに?
どんなに頑張っても、祖父には仕事も家族とも認めてもらえないのだと悟ったあの瞬間……。
無性にアカリさんの笑顔を見たい。逢いたい、って思ったこの気持ちは何だろう?

失くしてしまった心の隙間を埋めるように彼女への想いが募って、止まらなくて、こぼれ落ちそうになるんだ。

「っ……アカリ、さん。ッ……アカ、リ……っ」

その名前を口にしたら、真上にある白金色の満月が歪む。
どんなに辛くても出ない涙が、アカリさんが絡むと流れる。

僕が月姫様と同じ能力《ちから》を持っていたら、きっとこう強く願うだろうーー。

『彼女に、逢わせて下さい』と……。
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