夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
一歩一歩、前に進んでその距離を縮めていく。
ただ真っ直ぐに、貴方の元へ……。
やっと見付けたーー。
会っていなかった期間はそんなに長くはなかった筈なのに、何故か……。まるで、何十年も何百年も前……。
そう、まるで産まれてくる前から貴方を捜していたような感覚に陥った。
歩みを進めて、貴方まであと数メートル。
その名を呼べば気付いてもらえる位の距離になった時。声をかける前に、不意に貴方は何かに気付いたように身を起こして、振り返った。
その姿に、目を奪われる。
白金色の髪と瞳。
彼のその姿は、数年前に見た事がある。
それなのに、まるで初めてその姿を目にしたように……。夜空に浮かぶ満月の光を浴びて、美しく輝くその姿は、言葉では言い表せないくらいの想いで私の心を震わせた。
貴方は、天使ーー?
思わずそう問い質してしまいたいくらいに、美しくて、綺麗で、儚い存在。
言いたい事がたくさんあった。
駆け寄って、抱き締めて、たくさん触れたかった。