夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

「マオさんも眠れないんですか?」

「あっ、はっ、はぃい!……ッ」

ついついボーッと見惚れてしまう。
声が上擦ってしまい真っ赤になる僕に、くすくすと笑いながらアカリさんが言葉を続けた。

「私も、まだ眠れないんです。
良かったら、もう少し……お話しませんか?」

「!……え?っ……は、はい!喜んで!」

もう少し話がしたいーー。
アカリさんが自分と同じ気持ちで嬉しくなった僕は、声を弾ませて返事をした。

しかし。
嬉しさだけで後先考えずYESと答えてしまった事を、僕はこの後少し後悔する。


「じゃあ、今からマオさんの部屋に行きますね!待ってて下さい!」

僕の返答を聞いてアカリさんも嬉しそうに声を弾ませると、すぐにバルコニーから自分の部屋へ戻って行った。

ポーッとしながらその場に残った僕の頭の中には、アカリさんの言葉が木霊する。

『じゃあ、今からマオさんの部屋に行きますね!』

ーー来る。
アカリさんが僕の部屋に来てくれる!
もう少し、一緒に過ごす事が出来るんだ。
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