夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
「ッーー!!」
嫌だッ!!って思ったら、考えるより先に身体が動いた。
アカリさんを追いかけようと扉に伸ばした手。
その時ーー。
ガチャガチャッ!と外から扉の鍵が解除され、部屋の扉が勢い良く開いた。
バァアンッ……!!
「ッ!!っ……い、ッ〜〜」
顔面に激痛が走る。
僕の宿泊している部屋の扉は、僕側からは引き扉。
つまり、勢い良く開いた扉は間近に居た僕の顔面に見事にヒット。
ビックリしたのと、突如感じた痛みに僕は思わず顔面を押さえて尻餅を着いた。
「!……え?っ、や、やだ!ごめんなさいっ……!!」
何が起こったのか一瞬理解出来なかった僕に届く、大好きな声。
「大丈夫ですかっ?マオさん!」
顔を覆っていた手をゆっくり退けて顔を上げると、そこには尻餅を着いた僕の側に両膝を着いて、心配そうに顔を覗き込むアカリさんの姿があった。