夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
こうして一緒にいると、ふと感じる時がある。
以前にも……。
ーーいや。
ずっとずっと前にも、彼女とこんな風に寄り添って過ごした事があるんじゃないか?……て。
「これが、マオさんがくれたおもちゃで遊んでる時のーー……。……マオ、さん?」
「……ッ!!」
ハッと我に返った。
いつの間にか黒猫の画像ではなくアカリさんをじっと見つめていたら、その視線に気付いた彼女と間近で瞳が重なったのだ。
少し下にある綺麗な漆黒の瞳が、僕を見上げている。
「あっ、す……すみませんっ!」
しまった!っと、慌てて顔を逸らして俯くが、真っ赤になっているに違いない顔の熱はなかなか治る筈もなかった。
暫く顔を上げられずにいると……。
「マオさん、ズルイです……」
そう言ってアカリさんは、僕の垂れた長い前髪をそっと上げた。