夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

ズルイ?
何の事かと思ってチラッと見ると、彼女が少し困ったような表情を浮かべながら微笑んでいた。


「私だって、もっと見たいんですよ?マオさんの顔……」

「え?」

「……見せて下さい」

アカリさんは呟くように言うと、僕を見つめた。
その瞳からは、色んな感情が感じられる気がする。
喜び、悲しさ、寂しさ……。何より、懐かしむような……そんな、瞳。
次第に潤んでいく瞳に、恥ずかしさよりも心配になって、僕も目を逸らせなかった。


何故、そんな瞳で僕を見るのーー?

アカリさんと初めて会った日から感じていた、あの疑問が再び思い浮かぶ。


「っ……。
なんで、そんな瞳で……僕を見るんですか?」

言っちゃいけない。
聞いてはいけない気がしていた質問だった。

でも、思わず……。自然と口から出てしまった言葉。
以前は返事を聞くのが怖い気もした。

……けど。
今ならば、不思議と聞ける気がしていた僕は、彼女をじっと見つめていた。
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