夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】

ああ、ダメだ。
ニヤニヤが止まらないっ……!

廊下で1人、自分の両手で自分の両頬を押さえてトキメキを必死で抑え込む。
アカリさんって呼ばれる事も、敬語で話される事も、最初の頃は悲しくて嫌で仕方なかったのに……。いつからか、あのマオさんの穏やかな口調や声のトーンが心地良く聴こえるようになっていた。


「早く着替えてこなきゃ」

つい今まで一緒に居たのに、もう顔が見たい。声が聴きたいって、私の心が叫んでいる。
高鳴る幸せな鼓動を感じながら、私は身支度をしに自分の部屋へ戻った。


マオさんは穏やかで優しい。
しかしこの後、ある出来事がキッカケで私はマオさんの新たな一面を見る事になる。
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