夢の言葉と約束の翼(中)【夢の言葉続編⑥】
……
…………。
使用人さんが部屋を出て行っても、僕は自分の服を手にしたまま立ち尽くしていた。
『あら。マオさん、その服……』
今朝、僕の服装を見たアカリさんの反応を思い出す。
『え?似合わない、なんてとんでもない!
素敵ですよ。とっても、お似合いです!』
アカリさんは、少し頬を赤らめながら微笑んで僕にそう言った。
普段自分では絶対に選ばない色合いだから、彼女が褒めてくれて嬉しかった。……なのに、……。
「旦那さんの服、か。何で気付かなかったんだろう……」
そうとも知らずに浮かれていた自分が、何だかとても虚しくて馬鹿だったと感じた。
胸がズキズキ痛み出して、同時にモヤモヤとした感情が心に纏わり付く。
姿も何も知らないのに、"アカリさんの旦那さん"の存在に、堪らなくイライラした。
「っ……!」
僕は着ていたセーターを脱いでベッドの上に放ると、すぐに自分の服に身を包んだ。
洗濯したての服は洗剤とお日様の匂いで心地良い筈なのに……。僕の心は、曇ってしまっていた。
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使用人さんが部屋を出て行っても、僕は自分の服を手にしたまま立ち尽くしていた。
『あら。マオさん、その服……』
今朝、僕の服装を見たアカリさんの反応を思い出す。
『え?似合わない、なんてとんでもない!
素敵ですよ。とっても、お似合いです!』
アカリさんは、少し頬を赤らめながら微笑んで僕にそう言った。
普段自分では絶対に選ばない色合いだから、彼女が褒めてくれて嬉しかった。……なのに、……。
「旦那さんの服、か。何で気付かなかったんだろう……」
そうとも知らずに浮かれていた自分が、何だかとても虚しくて馬鹿だったと感じた。
胸がズキズキ痛み出して、同時にモヤモヤとした感情が心に纏わり付く。
姿も何も知らないのに、"アカリさんの旦那さん"の存在に、堪らなくイライラした。
「っ……!」
僕は着ていたセーターを脱いでベッドの上に放ると、すぐに自分の服に身を包んだ。
洗濯したての服は洗剤とお日様の匂いで心地良い筈なのに……。僕の心は、曇ってしまっていた。